血統についてクワガタ業界においても○○血統という言葉をよく目にします。この「血統」という定義は先祖から子孫につづく系統という意味で一般的に用いられているようです。 血統と聞いてすぐに思い浮かぶのは「サラブレッド」ではないでしょうか? サラブレッドはイギリスで200年前から早く走るためだけに作られた馬です。 現在、世界で走っているサラブレッドの父系は、すべてダーレー・アラビアン、バイアリー・ターク、ゴドルフィン・アラビアンという3頭の牡馬の子孫となります。 サラブレッドには200年分の系譜がそれぞれの馬にあり、競争成績・血統が管理されています。系譜が無いものはサラブレッドとは呼びません。 もちろん犬や猫、鳩にも血統書はあります、しかしサラブレッドに比べるとどうでしょう? 人間にしても200年前の系譜がある人は、余程の高貴な家系の人でない限り皆無だと思います。 ましてやクワガタの飼育の歴史は、せいぜい20年程度ではないでしょうか? クワガタも何百万年もの昔から存在していた訳で、淘汰や交雑を繰り返し現在の形になったものと考えられます。 そんなクワガタのワイルドやF1の良形を○○血統と呼ぶのは、違和感があります。(○○の中にはショップや個人の名前が入ります)たとえそれがF5だとしても同じです。 極論するとオリジナル血統にこだわるならハイブリッド(交雑個体)を作り自分自身で系譜を管理するしかありません。 犬や猫・観賞魚も品種改良を重ね現在の様な形となりました。 犬だけでも大きな犬から小さな犬・様々な毛色・形が、人間によって作り出されました。 これを読んでくれている方はきっとやっさんは「クワガタの血統」を否定していると考えられていることでしょう。 しかし私は血統を否定している訳でもハイブリッドを推奨している訳でもありません。 矛盾している!とお考えかも知れませんが、私はクワガタにも血統はあると思っています。 クワガタも国産ひとつを例にしてもかっこいいクワガタとそうでないクワガタいます。 そのカッコいいクワガタのみを「血統」と呼ぶ風潮を批判しているのです。 カッコいいクワガタに血統が、あるのならそうでないクワガタにも血統がある筈です。 人間が、飼育する何百万年前からクワガタは生息していたのですから血統があって当たり前ではないでしょうか? 平成15年11月15日 |